2019年8月に起きたAWSの大規模障害で、数々の大手ウェブサイトやウェブサービスがサービス停止となったことは記憶に新しいですよね。
AWSなどを始めとする「クラウドサービスの弱さ」を真摯に受け止めなければいけないと、IT関係者なら誰しも痛感した障害ですが、同時に、AWSの導入がこれほど進んでいるのかと驚いた方も多いかもしれません。
そんな話題のアマゾンのクラウドサービス「AWS」ですが、エンジニアの需要が高まっていると同時に、勉強を始める方が増えています。
AWSエンジニアが人気の理由のひとつとして、プログラミング言語が必須でないことが挙げられます。
プログラマーやシステムエンジニアとしてIT業界へ転職するには、プログラミング言語の知識が必要ですよね。
「プログラミング言語の習得に挫折したけど、IT業界で働きたい」
このような挫折経験や、IT業界に希望を持っている方に、AWSエンジニアという選択肢は人気です。
また、クラウド化によって、仕事が減りつつあるインフラエンジニアからAWSエンジニアにキャリアチェンジする方も少なくありません。
しかしAWSの学習方法は、プログラミング言語に比べてあまり知られていません。
そこでこの記事では、AWSの学習におすすめの書籍を紹介していきます。
AWSとは
AWSとは、Amazon Web Servicesの頭文字を取って呼ばれている、クラウドコンピューティングサービスです。
名前の通りAmazonが提供しているクラウドサービスで、現在人気No1のクラウド技術です。
- サーバー
- ストレージ
- データベース
上記のようなシステム導入に必要なサービスを、必要な時に必要な分だけ利用できます。
AWSを使うことでシステム導入・運用コストを従来よりも抑えることが可能なため、導入する企業が急増しています。
AWSを独学する前に必要となる前提知識
AWSエンジニアになるには、プログラミング言語の知識は必須ではありません。
しかしAWS自体を学習する前には、最低限必要な前提知識があります。
- IT一般の知識
- インフラの知識
上記2つの知識がなければ、いきなりAWSの学習を始めても理解するのが難しく、挫折してしまう可能性が高くなってしまうでしょう。
IT一般の知識
AWSではプログラミング言語の知識こそ必須ではありませんが、ITの一般的な知識は必要になります。
特別な資格は必要ではありませんが、ITパスポートに合格できるぐらいの知識の習得は必要です。
ある程度IT用語がわかる人は問題ありませんが、自信がない方はITパスポートの勉強から始めることをおすすめします。
インフラの基礎知識
AWSでクラウド化するサービスの多くは、インフラに関連するサービスです。
- サーバー
- ネットワーク
- ストレージ
上記のような基本的な知識がなければ、AWSの勉強を始めても、そもそもインフラ系の専門用語さえ分からず、思うように学習が進まない可能性が高くなるでしょう。
ITパスポートでも単語としては勉強しますが、より実践的な勉強をする必要があります。
例えば「IPアドレス」とは何なのか、だけではなく、どんな設定が必要かなどを理解しておくことが重要です。
AWS学習は書籍がおすすめ
AWSの学習方法は、大きく下記の3つの方法があります。
- 書籍での独学
- 学習サイトでの独学
- プログラミングスクールに通う
この3つの学習方法の中で、特におすすめなのが書籍での独学です。
AWSは頻繁にバージョンアップされているため、学習サイトでは情報が古いことも少なくありませんので、新しい書籍で学習することで、バージョン差異などで悩むことが少なくなりますよ。
また、費用に余裕がある方や、独学では学習が続けられない方、そもそもITの知識が皆無という全くの初心者は、プログラミングスクールで学ぶのもおすすめです。
AWSの無料枠で手を動かしながら学習する
AWSでは無料枠がありますので、実際にAWSを使いながら学習することができます。
書籍を読むだけでも知識は十分蓄積はされますが、実際の現場で働くことに備えて、手を動かして学ぶのがおすすめです。
無料枠には制限があるため、有料機能かどうかをしっかり確認する必要がありますが、間違って使用してしまっても費用は数千円程度に収まるので安心して利用できますよ。
資格取得を目標にする
AWSの学習目標は、AWS資格取得を目標にするのがおすすめです。
IT業界の資格は就職や転職時にあまり評価されないことが多いですが、AWS関連の資格は十分評価して貰える資格です。
資格は、種類や難易度によって複数に分かれています。
希望する求人で指定がある場合は、その資格取得を目標にするのがおすすめです。
特に指定や希望がない場合は、AWS資格の中でも新しく、幅広い知識を習得したことを証明する「クラウドプラクティショナー」の取得がおすすめですよ。
- 書籍で安く学ぶ » AWSの独学学習におすすめの書籍
- 学習サイト「Udemy」で安く学ぶ » AWS認定資格コース
- 本格的な学校でAWSを学ぶ » RaiseTech(レイズテック)
- インフラ・ネットワークを「0円」で学ぶ » ITCE Academy / ネットビジョンアカデミー / ウズウズカレッジ
AWS独学学習におすすめの書籍4選
ここからはAWSの独学学習におすすめの書籍を、初心者・中級者・上級者向けに分けて紹介していきます。
AWS初心者におすすめの書籍
初心者向けの書籍は、初めてAWSを学習する方向けの書籍です。
ゼロからわかるAmazon Web Services超入門 はじめてのクラウド
AWSのアカウントの作成方法や、AWSの代表的な機能を中心に解説されています。また、実際にAWSのサービスを使ってWordPressでのWebサイト構築の体験もできますよ。
AWSが全く初めての方にはおすすめですが、AWSを勉強した方には少し物足りない可能性があります。
» ゼロからわかるAmazon Web Services超入門 はじめてのクラウド
Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂版
本書は、AWSの入門書とネットワークの基本を学べる1冊で、各設定をしながら解説をみて学習を進めることができます。画面の写真も豊富でわかりやすく、初心者におすすめです。
すでにインフラの基礎知識がある方なら、1日〜数日で読み終わることができます。
» Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂版
AWS中級者におすすめの書籍
中級者向けの書籍では、初心者向けのAWS基礎知識を習得した方がステップアップできる書籍を紹介します。
Amazon Web Services 定番業務システム14パターン 設計ガイド
AWSを導入する場合に組み合わせる代表的な機能が本書で解説されています。入門書レベルで代表的な機能に関する学習はできても、実際のAWS導入時に、どれだけのサービスを導入すればよいかの判断が不明瞭なままになりがちです。
本書を学習することで、実務レベルで必要なAWSのサービスの組み合わせを明確にし、実務に対応できる知識を得られますよ。
» Amazon Web Services 定番業務システム14パターン 設計ガイド
AWS上級者(資格対策)におすすめの書籍
これまで紹介した中級レベルまでの書籍を学習した方には、クラウドプラクティショナー(資格)対策の書籍がおすすめです。
AWSの資格は比較的難易度が高く、資格を取得できれば実務に対応できる証明になります。
AWSエンジニアのスキルアップにも十分役立ちますよ。
AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー
本書を理解し、模擬試験を受ければ資格取得が可能です。
その他のAWS資格取得を目指している方は、別の資格試験対策書籍が発売されているのでそちらでご対応くださいね。
» AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー
- 書籍で安く学ぶ » AWSの独学学習におすすめの書籍
- 学習サイト「Udemy」で安く学ぶ » AWS認定資格コース
- 本格的な学校でAWSを学ぶ » RaiseTech(レイズテック)
- インフラ・ネットワークを「0円」で学ぶ » ITCE Academy / ネットビジョンアカデミー / ウズウズカレッジ
まとめ|クラウドエンジニアを目指すなら、まずAWSを学習しよう
AWSエンジニアは、IT業界未経験者だけでなく、インフラエンジニアからの転職でも人気の職業です。
AWSに関する実務経験と知識があれば、仮にAWSの需要が無くなったとしても、クラウドエンジニアとして働くことができます。
また正社員として実務経験を積んでいれば、管理職にキャリアチェンジすることもできるため、これからのAI時代でも仕事を失う可能性はかなり低いといえるでしょう。
プログラマーになることを挫折した方や、インフラエンジニアとして危機感を感じている方などは、AWSエンジニアとして転職を目指してみてはいかがでしょうか。